僕はいつも窓辺で、日差しの中でうとうとと夢を見ている。外の世界は不思議で、色とりどりの風景が広がっている。木々が揺れ、鳥がさえずり、時折通り過ぎる人間たちの笑い声が耳に届く。その音は、まるで僕を誘うメロディのようだ。
今日は特に陽射しが心地よく、思わず目を細めてしまう。ふと近くにある小さな草むらを見つめると、野良猫の黒い影がぴょんと現れた。彼は僕に気づくと、興味津々でこちらに歩み寄る。「君もここで日向ぼっこかい?」彼はそう言ったかのように、尻尾をピンと立てて笑いかける。
一緒に遊んだり、追いかけっこをしたりしていると、まるで時間が止まったかのように感じる。普段は家の中で過ごすことが多い僕だが、外の世界には仲間がいることを知り、心が躍る。
しかし、ふと気づくと、日が傾き始めている。黒猫は「また会おう」と言って、影のように消えてしまった。僕は一瞬の出会いを思い返し、少しだけさみしい気持ちになった。外の世界は広く、未知の冒険が待っているのだろう。しかし、僕は窓の外を見ることができる幸運な存在なのだ。
次に会う時まで、僕はこの場所で待ち続ける。風が優しく頬を撫でる度、あの猫との再会を夢見るのだ。どんなに小さな出会いでも、心の中に残るものだと、今日の陽射しの中で感じた。