月明かりに舞う影

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ぼくは高いところが大好きだ。今夜も窓辺に座って、月の光が照らす庭を眺めている。ちょっとした冒険心が湧いてきた。下に見える草むらは、ぼくにとって未知の世界。友達の小鳥たちが賑やかにさえずっているのが聞こえる。彼らはいつもぼくを見上げて、ちょっとした嫉妬を感じているのかもしれない。だって、ぼくは自由に空を飛ぶことはできないけれど、高いところから世界を見ることはできるんだから。

 でも、今夜は違う。なぜか心が躍る。ぼくはその瞬間、決心する。跳ぶんだ。高いところから、真下の草むらに向かって。ぼくの小さな心臓がドキドキするのを感じながら、体全体を使って大きく弾む。空気がぼくの耳元をかすめ、冷たい風がぼくを包む。まるで羽根が生えたみたいな感覚だ。

 そして、着地。ふわっとした感触が足元に広がり、ぼくは嬉しさでいっぱいになる。草の香り、土の感触、まるで新しい世界に飛び込んだみたいだ。周りを見渡すと、友達の小鳥たちが驚いた顔でこちらを見ている。ぼくは誇らしげに胸を張り、彼らにウィンクする。今夜は特別な夜。少しの勇気が新たな扉を開いたのだ。

 これからもっとたくさんの冒険が待っている。ぼくは跳ぶことをやめない。月明かりの下で、自由を感じながら。

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