私の世界はここ、窓の向こう側。日差しが優しく包む部屋の中で、私は黒と白の毛皮に包まれた猫。今日は特別な日だ。大きな窓越しに、あの犬がいる。彼の名はルビー。大きな体を持つイエローラブラドール、まるで太陽そのもののように明るい存在だ。
彼はそれなりに活発で、庭を駆け回る姿はまるで風そのもの。私はその姿を興味深く見守っている。普段は物静かな私だけれど、彼の元気な様子を見るたびに、心が躍る。彼はいつも楽しそうに吠え、ボールを追いかけ、飼い主の足元に寄り添う。私はそんな彼の様子を、窓の外から静かに見つめるのが好きだ。
でも、時にその影が心の奥に不安をもたらす。彼が私たちの仲間になれるのだろうか。彼は大きすぎて、私の小さな心を満たすには十分ではないのではないかと。彼の存在が私の独り占めの空間を侵すことになるのではないかと、少しだけ恐れを感じる。
しかし、その瞬間、ルビーが私の目を見つめ返す。彼の瞳には、友達になりたいという優しい光が宿っている。私は自分の不安を投げ捨て、彼に向かって小さく鳴く。彼は耳をそばだて、尻尾を振って私の応えを待っている。
ひとしずくの勇気が、心の中に広がる。窓越しの距離が縮まる予感。新しい友達への期待が、私の心を温め始めた。今こそ、私たちの物語が始まるのかもしれない。