静寂の中のささやき

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僕の名はミルク。陽の光が差し込む窓辺で、気持ちの良い昼下がりを過ごしている。時折、鳥のさえずりや風のささやきが耳に届く。これが僕の日常。だが、今日は少し違った。目の前の小さな箱が不思議なオーラを放っているのだ。

いつもと変わらぬ静けさの中、僕は慎重にその箱に近づく。触れてみると、温かい感触が指先を伝わり、心が弾む。無心で箱の中を覗き込むと、驚いたことに、そこには小さな光の粒がきらきらと舞っていた。まるで夢のような光景だ。好奇心が抑えきれず、僕はその光の粒に手を伸ばす。

触れた瞬間、何かが変わった。周囲の音が遠のき、時間が止まったかのように感じる。光の粒が僕を包み込み、ふわりとした気持ちになった。そこにいるのは、亡くなった友達、モモ。彼の優しい目が、僕を見つめている。心が温かくなり、涙がこぼれそうになる。

「お前も元気でやっているか?」と、モモの声が聞こえた気がした。僕は静かに頷く。彼との思い出が心に広がり、なんだか懐かしくて、切ない気持ちでいっぱいになる。光の粒が消え、僕は再び現実に戻された。箱はもう何もなく、ただの空っぽな物体だった。

しかし、心の中にはモモとの温かい思い出が残り、僕は少しだけ元気を取り戻した。今日の不思議な出来事は、友達との絆が消えないことを教えてくれた。窓の外では、鳥たちが今もさえずっている。僕は再び、陽だまりの中で穏やかな時間を楽しむことにした。

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