静かな午後の夢

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窓辺でうとうとしていると、柔らかな光が差し込み、あたたかな日差しが肌を撫でる。僕は茶色のタビー猫、名付けて「モカ」。今日は特別な日だ。家族が外出してしまったので、自由気ままに過ごせる時間が訪れた。周りには誰もいない。ただ僕とこの静かな空間だけ。

窓の外では、鳥たちが楽しそうにさえずり、緑の葉が風に揺れている。僕は思わずその音に耳を傾け、心が踊る。気づけば、窓に近づき、外の世界をじっと見つめる。小さな動物たちが行き交い、それを追いかける妄想が僕の心を満たす。僕もその一員になれたらどんなに素敵だろう。

突然、何かが光って目に飛び込んできた。それは、窓の外に舞い降りた美しい蝶。鮮やかな色彩を持つその小さな生き物は、まるで夢から抜け出してきたかのようだ。僕はその蝶を追いかけて窓を開けようと試みるが、力が足りない。でも、想像の中では、風を感じながら一緒に空を舞っている自分がいる。

やがて、蝶は去ってしまった。少しの間、心にぽっかりと穴が開いたような気持ちになったけれど、次の瞬間、今度は僕の目の前に小さな影が現れた。おもちゃのボールが転がってきたのだ。ふと、心が晴れやかになる。冒険の夢は続いている。どんな小さな出来事でも、僕にとっては特別な時間だ。

今日もまた、静かな午後が続いていく。

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