私は、あたたかな日差しが差し込む窓辺で、うとうとしていた。オレンジと白の毛皮が、柔らかな光を浴びてじんわりと温かく、まるで小さな太陽のようだ。外の世界は賑やかで、鳥たちのさえずりや通り過ぎる風の音が耳に心地よい。ふと目を開けると、窓の外に一羽の小鳥が止まっていた。好奇心がうずく。
「ねぇ、君はどこへ行くの？」思わず心の中で問いかける。小鳥は私の視線に気づいたのか、少し警戒しながらも、羽を震わせて空を見上げた。その瞬間、私の心の中に不思議な感情が芽生えた。自由を謳歌する小鳥を見て、私は何か大切なことを忘れている気がした。
「でも、私はここが好きだ。」ふわふわのクッションに身を埋め、外の世界を眺めることが私の幸せだと思う。でも、どこか物足りない。もし私も小鳥のように空を飛んだら、何を見られるのだろう？どんな景色が広がるのだろう？
その時、ふと思い出した。私が一番好きな瞬間は、飼い主が帰ってきたときの笑顔だ。どんなに外の世界が魅力的でも、そんな温かい心が待っていることが、私の居場所なのだと気づいた。小鳥はフワリと飛び立ち、私は窓の外を見送りながら、心に静かな満足感が広がった。
私の世界はここにあり、愛する人々と共にある。それが一番の幸せなのだと、改めて確信した。
