無邪気な夢の果て

ある朝、柔らかな光が窓から差し込み、私はお腹を空かせて目を覚ました。心地よいベッドの上で伸びをし、体をほぐすと、目の前には黒いセラミックのボウルが待ち受けていた。白い陶器の家とは違い、黒いボウルはまるで特別な宝物のように私を引き寄せた。

私はそのボウルに近づき、鼻を近づける。ほのかに漂う香りが、私の食欲を刺激する。いつもと同じフードが入っているのに、なぜか今日は特別に美味しそうに見えた。猫という生き物は、時に自分の心の中で特別な意味を求めるものなのかもしれない。私は一口、また一口と、夢中になって食べ進めた。

その瞬間、私の周りが静まり返る。窓の外では、小鳥たちが楽しそうにさえずり、風が木々を揺らしている。私も彼らのように自由に遊び回りたい気持ちが湧き上がるが、ボウルの中の美味しさが私を引き留める。

食事が終わる頃、満足感と共に小さな幸せが心の中に広がった。私はこの瞬間が永遠に続いてほしいと願った。日々の喧騒を忘れ、ただ美味しいものに囲まれるこの時間。そう思うと、心が温かくなった。

しかし、食べ終わったボウルは、再び空になり、私を現実に引き戻す。微かな名残惜しさを胸に、私は黒いボウルを見つめ、次の冒険を夢見るのだった。今日もまた、無邪気な夢の果てを探しに行くのだ。