橙色のひとしずく

今日は、いつもよりも柔らかな日差しが差し込む。私は、茶色の編んだバスケットの中で、ふかふかのクッションに身を委ねている。ここは私の特等席。高いところから周囲を見渡すのが何よりの楽しみだ。窓の外では、鳥たちが忙しなくさえずり、時折、風が運んでくる甘い香りに心が躍る。

ちょっと目を閉じて、耳を澄ませてみる。外の世界は広がり、私の心はその瞬間、自由になる。夢の中で、私は空を飛んでいる。ふわりと舞い上がり、風に乗って新しい場所へと旅する。そこには広い草原が広がり、色とりどりの花が咲き乱れ、小さな虫たちが遊んでいる。

突然、誰かの声が聞こえた。家の中が静まり返り、私の特等席にいることを忘れてしまったかのように、外の世界が私を呼んでいる。私はバスケットから飛び出し、好奇心に駆られて窓へ向かう。その瞬間、目が合ったのは、同じように窓の外を見つめる小さな子供だった。

彼の目には、無邪気な輝きが宿り、私の心はふわりと温かくなる。私はその子の存在を感じながら、彼と一緒にこの世界を探索したいと思った。どんな冒険が待っているのだろう？私たちは共に新しい物語を紡ぐことができるのだ。バスケットの心地よさと、外の世界の魅力、そのどちらも忘れられない、特別な瞬間だった。

(2025年9月23日 09:12 GMT +09:00 時点 - )