
ぽかぽかした午後のテラスで、モカはふわふわの毛を揺らしながら、目を細めていた。
「ふにゃぁ……」
もうすぐ夢の中へ入るところだった。しかし、その時、ふと何かの気配を感じた。
「……?」
耳をピクピクと動かし、モカは目を開けた。しかし、そこには何もいない。ただ、そよ風が木々を揺らしているだけだった。
でも、確かに感じた。誰かが、自分を見ていた。
「まぁ、いいか。」
モカは再び目を閉じ、心地よい眠りに身を任せた。
見えていないだけで、きっと、あの風の向こうに、何かがいるのかもしれない——そんな気がした。