
何かが動いた。
ほんの一瞬、カーテンの隙間の向こうで、小さな影が揺れた気がする。
私はじっと目を凝らす。耳をピクリと動かし、わずかな音も聞き逃さないように──。
「……いた!」
パッと飛び出すと、カーテンの向こうにあったのは……ただの風だった。
なんだ、つまらない。私は肩を落とし、ちょこんと座り込む。
だけど、このドキドキはなんだろう?
もしかしたら、次こそは本当に何かいるかもしれない。
じっと目を見開く。
私の瞳に映るのは、世界のすべて──その先にある、まだ見ぬ何か。
それを探し続けるのが、私の毎日なのだ。